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1998(平成10)年
埼玉医大で日本初の性転換手術が実施される
この年の10月、埼玉医科大学で日本で初の女性から男性への性転換手術(厳密には「性別再判定手術」と呼ばれます)が実施されました。これは性同一性障害の治療のひとつとして行われたものです。これ以前はこの種の手術を希望する場合、外国に行くしか選択肢がありませんでした。
「性同一性障害」とは、生物学的には男女いずれかの身体を持ち、自分がどちらの性別に属しているかについて認識していながら、人格的には「自分は別の性別に属している」と確信している状態です。この場合、自らの身体的・社会的な性別に違和感を抱き、「本当の自分は反対の性別である」と感じて精神的な強い葛藤を持ち、自分の身体的と社会的な性別や性役割を「精神の性」に合わせようとします。つまり、性同一性障害とは「生来の性別」と「精神の性別」の間にギャップが生じ、そのギャップを何とか直したいと思う人たちの心にまつわる障害を意味します。
性同一性障害の人には「トランスセクシュアル」と呼ばれる人達もいます。このような人たちは自分の出生に基づく性別に対して強い違和感や不快感を抱き、なんらかの手段によって反対の性別になろうとします。その手段のひとつが性転換手術というわけです。
しかし、この手術によって、外見上も希望した性になれても問題はすぐに解決しません。というのも戸籍上は「昔の性」のままの状態になっていたからです。そのため身分証明書の本人確認などでトラブルが起きるなど日常的な困難が続きます。この状態を改善できないかとして2003年に成立したのが「性同一性障害特例法」です。
同法による性別変更には「(1)20歳以上(2)独身(3)子どもがいない(のち2008年に「未成年の子どもがいない」と改正された。また以前に結婚して子供を設けた場合、その後離婚したとしても性別の変更はできない)(4)生殖能力がない(5)変更後の性別の性器の部分に近似する外観を備えている身(心の性に合わせた性転換手術を経ていること)」など5つの要件が必要であり、性同一性障害であることについて、医師2人の診断が一致した場合、家庭裁判所は、性別変更を認める決定ができるというものです。
しかし、経済的や健康上の理由で性転換手術ができない人は多く、性同一性障害であることを隠したまま社会生活を送っている人もいるため、この特例法によって実際に性別変更できるのは、性同一性障害を自覚する人の数%程度とみられています。
「性同一性障害なんて、特殊なもの」と考える人もまだまだ多いかと思いますが、実はカミングアウトしていないだけで、身近に該当者がいたりするものです。これまで「男性VS女性」という構図しかとらえられなかった人には、「それ以外の存在」を知ることは驚きかもしれませんが、ある特定のグループに対する偏見や思い込みは意識的に避けなくてはならないということを改めて教えてくれるのが性同一性障害といえるかもしれません。
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「五体不満足」(乙武著)ベストセラーに:
「女性のキャリア形成支援」「男女共同参画」「大人の学びなおし」をメインテーマに取材や講演を手掛けて30年。仕事を通じて「誰もが自分らしく生きることができる社会」の実現に関われたらと思っています。
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