アメリカの高校に交換留学していた時、夕食作りの「お当番」がありました。フラワーデザイナーとして出張が多かったホストマザーが食事を作るのは週末だけ。ウィークデーはホストシスターと私が交互にキッチンに立っていたのです。最初の頃は「テンプラを作って！」「日本のカレーが食べたい」とリクエストがあったのですが、それも一巡してしまうと次第にメニューに頭を悩ませるように。そんな時の強力な助っ人がレシピ本でした。出会ったレシピ本からは料理の手順ばかりでなく、その背景となる文化までを読み取ることができて、私はすっかり夢中になってしまいました。以来料理・レシピ本の収集・研究を続けて40年。そのひとつの集大成として「ほんのお味見」をお届けしたいと思います。

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