働く女性の50年史(9)

1977(昭和52

阪大米国人講師、ジーパン女子学生の受講拒否で論争

5月25日、大阪大学の講師だったペーダ氏が、授業にジーパン姿でやってきた女子学生の受講を拒否したことに対して学生たちが女性差別であると抗議しました。これがマスコミに取り上げられたことから「ジーパン論争」が起こり、全国的な話題になりました。

ペーダ氏はマスコミの取材に対し「ジーパンは作業服。女性はエレガントであって欲しい」という趣旨の意見を述べ、「ジーパンは今や日常服」「女性にあるべき姿を強制するのはおかしい」という学生側と真っ向から対立しました。最終的にペーダ氏は「自分の主張が認められないのなら日本の将来を憂う」と述べて講師を辞任。このことで一連の論争はひとまず決着をつける形になりました。

この年の10月、埼玉県嵐山に国立婦人教育会館が設立されました。この会館は女性学やジェンダー研究に関する情報提供、研修、会議の開催などの事業を目的としたものです。以後、各地方自治体で相次いで女性センター設立の動きが見られるようになりましたが、これらの施設の多くは現在「男女共同参画センター」などに名称変更されています。

 

★この年のできごと★

日航機ハイジャック事件928日、ボンベイ空港を離陸したパリ発東京行き日航機が5人の日本赤軍メンバーに乗っ取られた。犯人らは日本政府に対して日本国内で身柄を拘束されている過激派7人、刑事犯人の釈放と身代金600万ドルを要求、政府は超法規的措置で6人を釈放した。犯人5人と釈放犯6人はアルジェリアに投降、人質は解放された。

 

青酸コーラ事件14日、東京・品川駅付近の公衆電話ボックス脇においてあった瓶入りコカコーラを高校生が拾って飲んだところ死亡した。コーラには青酸ナトリウムが混入してあったことが判明。また、同じ日この現場から約600メートル離れたところでも無職の男性(46)が死亡。やはり青酸コーラが死因だった。(1992年に時効が成立)

 

 

 

 

 

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働く女性の50年史

1969(昭和44)年「男性55歳、女性30歳という女性のみ若年定年制は無効」の判決(東京地裁)

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ごあいさつ

福沢恵子

「女性のキャリア形成支援」「男女共同参画」「大人の学びなおし」をメインテーマに取材や講演を手掛けて30年。仕事を通じて「誰もが自分らしく生きることができる社会」の実現に関われたらと思っています。 

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