働く女性の50年史(6)

1974(昭和49)

 働く女性の数は1163万人。6割は既婚者。

この年、女子雇用労働者1163万人となり、そのうち既婚者は6割となりました。ちなみに2008年の女子雇用労働者2,312 万人ですから、四半世紀の間に約2倍に増えたことになります。70年代はまだ「女性は結婚したら仕事を辞めて家庭に入るのが当然」という考え方が主流でしたが、それでも実際には働く女性の過半数は既婚者だったのです。これは、仕事を続ける女性が増えたと共に、結婚や出産で退職した女性たちも、育児が一段落したころに再び働き出すようになったことも関係しています。

一方、当時は第一次石油危機に続く不況で、パートタイムの女性の解雇が多く見られました。景気の動向の影響をもろに受けるのが雇用の面で立場の弱い人々であることは当時も現在も全く同じです。この年、日本は戦後初のマイナス成長に転じましたが、一方で消費者物価指数は24.5%上昇。トイレットペーパーや学習ノートなどの紙製品をはじめ、生活必需品の価格が急騰し、狂乱物価とまで呼ばれました。

 

★この年のできごと★

三菱重工ビル爆破事件830日、東京千代田区丸の内の三菱重工ビルに「爆弾を仕掛けた」と男の声で予告電話があり、5分後に正面入り口わきで紙包みが大爆発。8人が死亡、378人が重軽傷を負った。過激派による一連の企業爆破事件へとつながった。

 

金脈問題で田中首相が退陣:「日本列島改造論」で知られた庶民派宰相田中角栄。その金権実像を立花隆が月刊文芸春秋「田中角栄研究--その金脈と人脈」で発表。国会で問題化し政局は混迷。1126日田中首相は辞意を表明した。

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1969(昭和44)年「男性55歳、女性30歳という女性のみ若年定年制は無効」の判決(東京地裁)

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ごあいさつ

福沢恵子

「女性のキャリア形成支援」「男女共同参画」「大人の学びなおし」をメインテーマに取材や講演を手掛けて30年。仕事を通じて「誰もが自分らしく生きることができる社会」の実現に関われたらと思っています。 

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